母のちょっとおかしな英才教育
先月買った「&プレミアム 4月号」の内容がとってもよかった。
今回は石田ゆり子さんが表紙の「心に響く言葉、との出会い。」だ。
各著名人の心に残る言葉たちを紹介しているのだが、中でも去年亡くなられた樹木希林さんの娘である内田成哉子さんのコーナーがとても印象に残った。(P.80 さよならの言葉、送りだす言葉より)
「驕らず、人と比べず、面白がって平気で生きればいい」
これは母である樹木希林さんの葬儀での弔辞だそうで、生前に希林さんから言われた言葉なのだそう。
なんとも希林さんらしい女前な言葉だと思った。
ふと私もなにか印象に残っている言葉は・・?と思って考えてみたが言葉という言葉は思いつかなかった。(ないのかい!)
でも幼い頃の母親の行動で印象に残っていることがある。
私の母はいつも私にちょっとした遊びを仕掛けていた。
幼稚園から帰ると家の庭にあるチューリップの中に小さい人形(よくお菓子のおまけで付いてるやつ)を中に仕込んで「親指姫がいるよ〜!」と言って私を驚かせた。(まんまと騙されていた)
冬には家に帰ると玄関にお手製の雪ウサギがズラリ待ち構えていたりもした。(一匹ではなく数匹並んでいるのが笑える)
子供よりも子供心のある大人とはこの人の事だと今となっては思う。
うちは少し家庭環境が複雑なところがあり、母親は結構苦労をしていたと思う。
部屋で母がこっそりと泣いていた事もうっすらと覚えている。
きっと悲しい事や辛い事が現実に起こる中で「ちょっとした楽しい事」を見つけて落ち込む気持ちを撥ね返そうとしていたのではないかと思う。
勉強を教えてもらったことは正直記憶にない。(ちょっと失礼だけど)
けれど、大人の子供心という部分では幼い頃からの英才教育だったなと今となっては思う。
ちょっとした遊び心は相手をクスッとさせる事ができるうえに、自分自身も知らないうちに楽しくなってしまうという素晴らしい効果がある。
生きていればいい事も嫌な事もいっぱい起こるけれど、こんな風にカラリと面白く生きていけばなんとかなるんだという事を私は母親から学んだのであった。