変わらないこと。
新栄にお気に入りの串揚げやさんがある。
私の中では名古屋で一番美味しいと思うその串揚げやは、四畳半程のスペースのいわゆる “汚な美味い系” のお店だ。
お店に行けばいつも仕事帰りのサラリーマンが2.3人は必ずいて、ビールをグビグビ飲みながら美味しそうに揚げたての串を頬張っている。
私も数年前に初めてお店を訪れて以来、このお店の虜になってしまい、決まった友人と串揚げが食べたくなるとこのお店に来るのだ。(友人もまたお店の虜。)
今回はかなり久しぶりにお店に行ったのだけど(家を引っ越してから遠くなってしまったため)、相変わらず強面のおっちゃんがいて、お店の奥にかけてある薄汚れたクッピーラムネのタオルも健在していた。
ホッとしつつ、先にお店について飲み始めていた友人の机には私の分のお通しもちゃっかりスタンバイされていた。
私は気に入ったものをずっと使ったり、食べたりする習性があり、今回も冒険はせずいつもお気に入りの串揚げを食べた。
赤ウインナー、ナス、レンコン、鶏皮、牛、豚、貝柱。
マルシンハンバーグ串ってゆうのもあって、結構気に入っている。(一応平成生まれなんですけど、趣向は完全に昭和。)
いつだって変わらないその味に友人と「おいしいね、おいしいね」と言いながら食べた。
そのお店は10年以上ずっとこのスタイルで営業している。
変わらぬ味、変わらぬ店内、そしてトイレの中のポスターも。(2005年って書いてあった)
そしていつだってサンダルを履いて、テキトーにセットをした髪のおっちゃんも。
このお店に行けばずっと変わらないものに出会えるのだ。
時間は毎日当たり前に過ぎていって、気づけば今年も残り3ヶ月半。
なんだか変わらない自分に焦ったり、周りの変化に敏感になってしまう時もあるけれど、自分のペースでのんびりと時間を過ごしていくこともとても素敵なことなんだと思えた。
とはいえ何も変わらないことも難しいので、1つ2つ大切なことは自分の中で守りつつ、変化もまた楽しんでいこうと思う。
でも本当にすごいです。
10年以上変わらず続けていくことは簡単にできることではないし、あのヘラリとした強面のポーカーフェイスの裏側にはきっと図太い芯が通っているのだろう。
書いていたら、また食べたくなってきたのでまた近々行こうかな。