オヤジの小言から学ぶ。
サンキューベイクのシェフはよく若手パティシエに「他店のお菓子を見なくてもいい」と言っている。
お菓子を作る上で独創性がなくなるからという理由だそうだ。
私はどちらかというと逆のタイプでいろんな気になるお店のお菓子を見て食べて勉強しようと思うタイプだ。
参考にできる事を得たいと思うから。
これはどちらの意見も別に間違ってはいないと思う。
自分と違った考えを持ち合わせている人と一緒に仕事をするのはとても勉強になる事だ。
話を戻すが、シェフは若い頃にフランスに住んでいた事がある。
その時にフランス人のシェフに同じように「他店のものを見るよりも独創性を磨け」と言われていたそうだ。
その教えの通り、彼は普段よくお菓子にアレンジを加えている。
レシピをチラリと覗いてみると、手書きでびっしりとあれこれ書き込んでいていろんなパターンを考えているようだ。
その独自の組み合わせからできたケーキの一つが「ケイク・キャラメルポム」だ。
バターでソテーし、シナモンで香り付をした林檎をキャラメル生地の中に入れて焼いたケーキ。
これに組み合わせたのがカソナードを入れて焼き上げたクルトンみたいなクッキーだ。
これをトッピングして焼いているのだけど、私はこのケーキがかなり気に入っている。
アールグレイなど香りが良い紅茶と合わせて食べるととっても美味しい。
こうやって商品ってできていくんだなと近い距離でみる事ができるのはとても刺激になる事だ。
お菓子にスポットをあてて書いてみたのだが、これは何にでも言えることで自分の価値自体にもおおいに言えることだと思う。
生活しているとどうしても他人と背比べをしてしまいがちだ。
自分の価値を他人と比べて測ってしまう。
これは本当に良くないスパイラルのはじまりなのだ。
結局自分は自分でしかなく、北川景子になろうにも死んでも無理だ。
はたまた浅田真央ちゃんになりたくてスケートを猛特訓したところで彼女のようになれるわけがない。
彼女が持つ雰囲気や性格があってこそあれだけ国民の支持を得られるのだと思う。(私も真央ちゃん大好きです)
結果。
シェフの言う「他人を見て真似をする事をベースにするよりも、自分が持っているものを引き出して磨く事」(お菓子を人に変換するときっとこんな感じなのだと思う)
私よりも随分年齢も経験も大人なシェフにまた勉強になったのであった。